妻が退院してからの生活はどのようなものだったのでしょうか。
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妻と3ヶ月ぶりの対面
4月7日、私と長女ちゃんで退院する妻を病院に迎えに行きました。次女ちゃんを実姉に任せているので、安心です。
退院手続きを済ませ、いざ妻と対面です。私は、必要なものを病棟に届けたときに何度か妻と会っていましたが、長女ちゃんは実に3ヶ月ぶりの対面です。
妻とビデオ通話をしていても、さすがに数ヶ月ぶりの対面では、長女ちゃんがぎこちない様子です。同じ病棟の他の入院患者から「かわいいねぇ」と言われ、はにかむのに精一杯で、妻とは特に何も話さず、病棟を一緒に出ていきます。
入院時の服や暇つぶしグッズ等、段ボール箱2つ分の妻の荷物を病院のスタッフの方に車に乗せてもらい、いざ帰宅!
ややハイテンションな妻
途中、スーパーで買い物をしました。久々のシャバの空気を吸ったためか、次々に食べ物を買い物カゴに入れます。入院前だったら買わなかったであろう即席麺などの食品を購入する妻の姿に不安を覚えつつも、この程度の症状で収まるのであればと、逆に安心しました。
これから、4人での暮らしがスタートすると思うと、喜び半分、不安が半分といった具合です。
妻の退院後の状態
ただし、明らかな不調ももちろんありました。それは次の通りです。
- 朝に起きられず、午前中は、ほぼ寝ていること(薬の副作用かもしれません)
- ほとんど外出しないこと
- 不安定になって泣くこと
育休中の私にとって、妻が午前中に寝ていることや外出しないことについては、特に問題ありません。
ただし、不安定になって泣いてしまうときは、どうしても私が対応しなければなりません。妻は、「このまま私は生きていて良いのだろうか?」とか「私は価値がない人間なんだ」とか言ってきます。
私は、なるべく普段通りに接することを意識しながら、「チューヨーも子どもたちも妻がいなくなってしまったら困る。特に子どもたちにとっては、たった一人のお母さんなんだから、いなくなったら嫌だよ。生きていてくれるだけでも幸せだよ。」と伝えて安心させました。
不安定で泣くことがなければ、午後になれば、家事も育児もできる範囲でやってくれました。
家事に関しては、最初は風呂の浴槽の掃除だけでした。私が料理を極力しないようになってからは、晩御飯の支度をしてくれるようになりました。
育児に関しては、次女ちゃんの離乳食を私が既製品をお湯で溶くだけ、温めるだけで手抜きをしているのに対して、妻は時間があるときに手作りしてくれました。
病気とはいっても、出来ることから少しずつやってくれるのです。
入学式
次に控えるイベントは、4月9日の長女ちゃんの入学式です。幼稚園の卒園式には退院が間に合いませんでしたが、入学式には参加できます。ただし、コロナの影響で参加できるのは、保護者1人だけです。妻が参加したいと言うので、やや不安もありましたが、入学式が行われる体育館のすぐ近くに私が待機することを条件に妻を参加させました。
入学式のときには、義姉に次女ちゃんのお世話を頼みました。入学式を無事に終えて、帰宅し、みんなでお昼を食べました。回復した妻の姿に義姉も少し安心した様子でした。
家族4人での生活
家族4人での生活がスタートしましたが、それぞれの生活パターンどのようなものか紹介します。
私の一日
主に次のように私の一日が流れていきました。
- 午前3時に起床し、朝食の支度や自分のための時間を過ごす
- 次女ちゃんにミルクor離乳食をあげる(2時、6時、9時、12時、15時、18時、20時)
- 長女ちゃんと朝食をとる
- 次女ちゃんを抱っこヒモかベビーカーに乗せながら、長女ちゃんと一緒に学校の校門まで行く(入学初期のみ)
- 洗濯物を干す
- 次女ちゃんの午前のお昼寝中に、家族の昼食と晩御飯を準備する
- 次女ちゃんと散歩+お買い物
- 晩御飯を家族で食べる
- 子ども2人と入浴する
- 子ども2人と20時過ぎに就寝する
妻の一日
一方で、妻の一日は次のとおりです。
- 長女ちゃんが学校へ行く7時30分までには起床する(元気があれば、家族総出で長女ちゃんと学校まで行く)
- 朝食をとる
- 昼食まで寝る
- 昼食をとる
- 家でぼーっと過ごす
- 浴槽を掃除する
- 晩御飯を用意する
- 晩御飯を食べる
- 入浴する
- 就寝
- 1ヶ月に1回、病院へ通院する(チューヨーが車で連れて行く)
といったものでした。
長女ちゃんはの1日
なお、長女ちゃんは、放課後に学童保育ではなく、放課後きっずクラブを利用しました。どちらも放課後に学校で面倒を見てくれる制度ですが、異なる点もあります。それらを私の目線でメリット、デメリットにまとめました!
学童保育のメリット
- 19時まで居られる
- おやつが出る
学童保育デメリット
- 利用料金が高い(1万円弱/一カ月)
- 就労証明書が必要(利用に制限がある)
- 4月からの利用の場合、前年の11月から申請しないといけない
- お迎え必要
- 毎日の利用が原則で、融通がきかない
放課後きっずクラブのメリット
- 利用料金が安い(500円/一カ月)
- 就業証明書が不要(誰でも利用できる)
- 料金を支払えば、当日から利用可能
- お迎え不要
- 当日の朝に利用する、しないを決められる
放課後きっずクラブデメリット
- 短時間しかいられない
- おやつが出ない
家から学校まで徒歩10分かかるので、毎日、私が長女ちゃんをお迎えに行くのは大変です。お迎えに行くときは、家に次女ちゃんを置いていけませんので、雨の日等は抱っこヒモで行きます。迎えに行く時間も遅く、晩御飯や入浴など忙しい時間でもあります。以上の理由で学童を利用しませんでした。
妻は1人で寝る
退院初期は、家族4人で同じ部屋で寝ていました。しかし、次女ちゃんの夜泣きや、チューヨー達の寝返りが気になると妻が言い、1人で別の部屋に寝るようになりました。
1人で寝る妻に対して、長女ちゃんは寂しい気持ちはないようで、入院時のときのように泣きませんでした。
こんな生活では、妻も私も病気が治るのだろうかと疑問を持っていました。だからといって、他に何をすべきかわからないまま時間が過ぎてゆくのです。
チューヨーの焦り
私が育休を取っていられるのも、限界があります。具体的には、次女ちゃんが3才になるまでの2年2ヶ月間です。
十分な時間があるように見えて、双極性障害を治すためには短い。双極性障害は治りにくく再発しやすいため、何年もかかる病気と厚生労働省に書かれています。
だんだんと、私に焦りが出てきます。私が職場復帰するためには、妻がしっかり治っていないといけない。妻を治せるのは、ずっと一緒にいる私しかいない。私が一緒にいられる期間はあと2年ちょいしかない。
私は、妻を何とか治すために行動します。妻が午前中に寝ているのは、何もすることがないからだと決めつけ、一緒に散歩するように誘います。太陽光を浴びることが回復の一歩とも考えていました。
もちろん、次女ちゃんも一緒ですが、ベビーカーに乗せても抱っこヒモで抱っこしても散歩していたら大抵、寝るので問題ありません。毎日、近所を30〜60分間、3人で散歩しました。雨の日以外は、来る日も来る日も散歩します。
しかし、妻の体調に変化がありません。むしろ、つらそうです。午前中に歩いた分、午後に寝るだけで何も改善しませんでした。
1ヶ月ほどして、夏が近づき、暑さで散歩するのがつらくなってきました。その頃に、あることに気が付きます。
私にできることは何か?
この出来事をきっかけに、「私に妻の症状を治すことはできないのだ」と気が付きます。私には、なるべく平穏な日常を妻に提供し続けることしかできないと考えるようになりました。
ただし、私一人で妻の想いや感情を受け止めるには、精神的に辛かったのです。毎日のように泣いて、後悔や謝罪、義母への不満、生きることへの不安などを私に伝えてくるのです。
妻の想いをなるべく受け流すようにしていましたが、毎日のことでだんだんとイライラしてきてしまうのでした。