急な入院になり、準備でドタバタしたことはありませんか?特に精神病であれば、患者自ら準備できないことも多いのに加えて、患者の対応で入院前に準備しておくのは難しいものです。
そんな時のために、すぐに準備できるようにリストでまとめました。必需品やあった方が良いもの、持ち込めないものに分けて紹介します。精神科病院ならではの注意点もご参考ください。
なお、内容は妻のケースとなります。妻の詳しい状況は過去の記事を参照してください。
生活必需品
- コップ(プラスチック製の物2つ)
- 歯ブラシ、歯磨き粉
- フェイスタオル(5枚)、バスタオル(3枚)
- ボディータオル(洗身用)
- ボディーソープ、シャンプー、リンス
- ティッシュペーバー
- 室内履き(サンダル)
- パジャマ
- 上着
- 靴下
- ハンカチ
- お小遣い(金額に制限あり)
- 搾乳機
妻は入院の数日前まで授乳していたため、胸が張ってしまい炎症になる可能性がありました。そのため、病院スタッフさんに搾乳機で搾乳してもらいました。
さらに足りないものがあれば病院スタッフさんから連絡があるので、その都度、届けました。
あった方が良いもの
- お薬手帳
- お菓子
- ノート
- ボールペン、えんぴつ、消しゴム
- 粉末飲料
- ハンガー
- アイマスク
- マスク
- ボディークリーム
- ハンドクリーム
- リップクリーム
- 目薬
- 腕時計
- 携帯電話と充電器(入院当初は持ち込み禁止)
暇つぶしグッズ
- 携帯ゲーム機(Nintendo Switch等)
- ラジカセ
- イヤホン
- 塗り絵
- 色鉛筆
- 本
- おりがみ
持ち込めないもの
- 刃物(カミソリ、ハサミも含む)
- ヒモ類
- 金属製の容器(缶入り飲料や)
基本的に自傷行為や自殺を防ぐためです。特にヒモ類が要注意。ベルトやサスペンダー、スウェットの腰ヒモ、パーカーのフードについてるヒモ、は外しましょう。ウエストがゴムになっているズボンがオススメです!
意外なところで金属製容器の色鉛筆がNGでした。
注意点
盗難防止や患者同士の物の貸し借りがトラブルの原因になるため、全ての物品には名前を記入しておきましょう。また、病院で衣類を洗濯してもらう場合も名前の記入が必要です。
妻は自分で着替えができませんので、着脱させやすいボタン付きのパジャマにしました。
患者との連絡手段
入院当初は、携帯電話の使用が禁止されます。入院患者との連絡は、最初は病棟内の公衆電話です。患者から家族に電話する必要がありますが、直接やりとりできますので要望があったものは後日、病院に届けました。あった方が良いものリストにあるものは私が実際に届けたものです。また、しばらく入院していると、医師から携帯電話の使用が許可されます。
ちなみに、通常は面会時間内であれば面会できるので、その時に必要なものを聞くこともできますが、妻が入院したときは、コロナ禍ということもあり面会禁止でした。携帯電話の使用許可が出ると飛躍的に双方でのやりとりがしやすくなりました。
ただし、携帯電話が使用できる時間帯が決められています。精神病の場合、睡眠不足が症状に大きな影響を与えるため、規則正しく生活するためなのです。
病院のルール
病院によりますが、様々なルールが存在します。主なルールは以下の通りです。
おやつは週に1,000円まで
病院では、3食用意されますが、おやつは出ません。家族がおやつを用意しますが、無制限ではなく1,000円までと金額が決められています。
病院におやつを届けたときにレシートをチェックされます。さらに患者が院内の売店で購入したおやつの金額も病院側が把握しているので、その金額も含めて1,000円を超えないように調整する必要があります。
私は、スーパーの割引クーポンを利用しながら、なるべく多くのおやつが買えるように工夫しました。なお、この飲料については1,000円に含まれないなどの細かいルールもあります。
ロッカーに入りきらない大きなものは持ち込めない
患者一人一人に荷物を保管するためのロッカーが用意されます。大きさに限りがあるため、クッションやぬいぐるみ等の大きなものはNGでした。妻が入院直前に勝手に購入したマカロンの形をしたクッション(40センチ四方)を届けてほしいと言われ、持って行ったところ、病院スタッフさんにダメと言われてしまいました。
病棟の出入りが制限される
閉鎖病棟なので、外部との扉には全てカギがかかっています。自由に出入りができないので、こっそり会うこともできません。脱走を防ぐためですから仕方ありません。生活必需品等を届けに受付窓口に私が到着したときに病院スタッフさんに、その都度、開けてもらうのが少し申し訳ない気持ちでした。
人権保護のため意外と自由
入院してしばらくは、個室で過ごしていました。数日後には、投薬と規則正しい生活のおかげで、院内の公衆電話から電話したり、自身の携帯電話を持てるくらいになりました。また、個室から大部屋に移れるほどにみるみる回復。
病状が悪化する妻の姿しか見ていなかった私は、元のようには戻らないと思っていました。病院のスタッフさんの連絡で妻の回復していく様子を聞くたびに入院させられて良かったと強く思うのでした。
患者同士の会話や交流も自由ですし、実際に知人や友人もできたようです。というのも、食事や診察、心理療法(カウンセリング)以外の時間は基本的に自由時間で暇が多い。読書、ゲーム、音楽を聞いても余りある時間で患者同士の交流が進んでいきます。
精神病の患者同士がお互いに悪い影響を与えてしまうのでは?と思いがちですが、そんなこともないようです。ただし、一部の患者は、聖書を配って布教活動をしてしまうので注意が必要でしょう。
必要なものを患者自ら注文して購入
今や欲しいものはオンラインショップでいくらでも購入できます。携帯電話が使用できるようになれば、患者がオンラインショップで購入し、それが自宅に届くようになります。患者家族は、自宅に届いたものを病院へ届けるだけ。少しタイムラグが生じますが、患者が欲しいものを確実に渡すことができます。
注意点として、症状が重い頃は、不必要なものを買ってしまうことです。
妻の場合は、LINEスタンプをたくさん購入していました。途中でそのことに気付いた私でしたが以下の理由で注意するなどしませんでした。
- 損失額が大したことないこと(総額3,000円)
- スマホを没収したら症状が悪くなると考えたこと
幸い、その後は、無駄使いしなくなったので一安心。妻が私に相談なく購入し、何で購入したのか困惑したものもありましたが、その後、役に立っているので、無駄使いにはなりませんでした。その一例は次の通りです。
- 楽譜ラック
- ぬいぐるみ
- 家具の転倒防止突っ張り棒(地震対策)
ちなみに、医師から携帯電話(スマホ)の使用許可が出たときに、妻がスマホを使っても大丈夫な状態なのか医師に聞きました。すると医師は、
「状態にかかわらず、患者のものを取り上げることはできない。何か問題があれば対処する」
との説明がありました。したがって、医療保護入院とはいえ、何もかも制限しない。治療もしつつ、人権が尊重されているのでした。
医療保護入院は3ヶ月!
本人の同意がない入院治療である医療保護入院は、3ヶ月間と決まっています。そもそも本人の同意が得られない入院を認めていない国もあるくらい、人権侵害であるとの批判がある制度でもあります。
しかし、私たち家族からしてみれば、この制度がなければ何もできませんでした。妻の病状の悪化に対して無力でした。患者自身に治療の意思表示ができないくらいに進行してしまった症状には、必要な制度です。